神奈川県南西部の足柄エリアは、丹沢の豊かな水に恵まれて、神奈川県でも酒蔵が多いエリアです。都心からでも、少し足を伸ばせば気軽に行ける近さでもあります。
そんな足柄エリアの酒蔵の一つ、瀬戸酒造店に行ってきました。
12月は酒づくり繁忙期のため、酒蔵見学は残念ながら対応できない期間でしたが、瀬戸酒造店では、販売所で購入したお酒を隣接の日本家屋の縁側でのんびりといただくことができます。
お天気のよい日の小旅行におすすめです。
瀬戸酒造店について
瀬戸酒造店は、もともとは慶応元年(1865年)創業の酒蔵です。1980年に自家醸造を中断していましたが、2018年に醸造を再開、新たに再始動した酒蔵です。のどかな田園風景が広がる神奈川県開成町にあります。
小田急小田原線 新松田駅から、箱根登山バス 関本行きで約10分、四ツ角バス停から徒歩で20分ほど。
新松田の駅からは富士山を望むことができ、酒蔵の近くには築300年の古民家・瀬戸屋敷があり、傍らには水路が流れている、そんなおだやかな地域で、全量小仕込みの丁寧な酒づくりをしている酒蔵です。
瀬戸酒造のつくるお酒
瀬戸酒造店のつくっている銘柄は、「酒田錦」、「セトイチ」、「あしがり郷」の3銘柄。
国内外での品評会で受賞するなど、高い評価を受けています。
全て生貯蔵酒で、生酒などの季節限定のお酒はつくっていないそう。入口にある販売所では、全銘柄を買うことができます。
<酒田錦>
幕末から続く瀬戸酒造店の代表銘柄を復刻した銘柄。足柄平野のお米、酒蔵の蔵付き酵母を使っています。
<セトイチ>
そのお酒の味わいが、どんなシーンで・誰と・どんな肴で飲みたいか、そのイメージを銘柄でも表現したお酒。お酒を選ぶ楽しみが広がるシリーズです。
<あしがり郷>
開成町の町花でもある紫陽花の花から抽出した酵母でつくったお酒。白ワインのような爽やかな酸味、きれいな味わいが楽しめます。
一畳酒場・角打ち庭園
さて、今回は酒蔵見学はできませんでしたが、瀬戸酒造店では、なんと!、販売所で購入したお酒を、庭園を望む縁側で楽しむことができるのです。
一畳酒場「角打ち庭園」です。
販売所で角打ちをお願いすると、お猪口をお水をお膳に用意してもらえて、買ったお酒を飲むことができます。和らぎ水には、仕込み水を汲んできていただけます。また、おつまみは、近隣の瀬戸屋敷のアンテナショップから出前をとることができるようになっています。
この日、縁側で飲むのに選んだお酒は、「セトイチ 手の鳴る方へ」と「セトイチ かくかくしかじか」。販売所には、四合瓶だけでなく小瓶も売っていて、角打ちで楽しむのにちょうどよいサイズ。
「手の鳴る方へ」は、生酛づくりらしい口当たりだけれど、後味は意外にもままろやかな印象のお酒。酸味がいいアクセント。
もう一つの「かくかくしかじか」は、やわらかい口当たり、かすかに甘い感じの余韻が残ります。“スイスイ飲める” との販売所での説明どおり、味わいもあるけれどスイスイいける、そんなお酒でした。
おつまみに頼んだのは、「弥一芋の醤油麹添え」と「ネギ味噌たっぷりの厚揚げ」。弥一芋は開成町で栽培されている里芋の一種で、里芋に比べて白く、強い粘り気と滑らかな口当たりが特徴とのこと。程よい甘味とコクのある醤油麹との相性も抜群で、一口サイズのお芋はお酒のアテにもちょうどよし。
地元野菜のおつまみを味わえるのも、角打ち庭園の楽しみの一つかもしれません。
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お天気もよく、のんびりとした昼下がり。街中の喧騒を離れ、縁側で日の光を浴びながら過ごす時間。お店でお酒を楽しむのとはまた全く違う、ゆったりとした時間の流れを感じられる贅沢なひとときでした。
たまには遠足気分で、こんな気持ちのよい “そと飲み” もぜひ!
<瀬戸酒造店>
https://setosyuzo.ashigarigo.com/
<あしがり郷瀬戸屋敷>
https://setoyashiki.ashigarigo.com/