早いものでもう6月、梅雨入りのニュースも聞こえてきました。
日本酒も、冷やして美味しい夏のお酒が出回ってくる頃です。
キンキンにしたお酒で、ジメジメの梅雨も吹き飛ばしちゃいましょう!
6月の乾杯おすすめデーはこちらです。
6月10日:梅酒の日(入梅)
梅酒は、6月頃に収穫される青梅を、氷砂糖と蒸留酒に漬け込んでつくられるアルコール飲料です。
青梅のヘタをひとつずつ取り、梅酒を漬けるのを毎年恒例の手仕事にしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「梅酒の日」は、高品質の梅酒の美味しさを多くの人に味わってもらうことを目的に、チョーヤ梅酒株式会社が制定しました。
日付は、雑節の「入梅」の日で、この時期から梅の収穫を迎え、梅酒づくりが始まることから。「この頃から梅酒を飲んで、夏を元気に乗り切ってもらいたい」という想いが込められているとのこと。
(*)雑節:二十四節気以外の、季節の目安となるような暦日。節分や彼岸、八十八夜など。
家庭で梅酒を作る場合は、アルコール度数の高いの焼酎やホワイトリカーを使うのが一般的ですが、日本酒でも梅酒をつくることができます。(日本酒は糖分が多いので、漬ける際のお砂糖は少なめがオススメ)
日本酒はホワイトリカーよりもアルコール度数が低く、とげのない、まろやかな口当たりの梅酒になると言われています。
梅酒を漬けるのはちょっと・・・という方は、梅酒を出している蔵元もありますので、探してみてはいかがでしょう?
蔵元特製の梅酒。日本酒とはまた別の味わいを楽しめるかもしれません!
※注意!
日本酒で梅酒をつくる場合は、アルコール度数が20度以上の日本酒を使ってください。(アルコール度数が20度未満のお酒で梅酒などをつくるのは酒税法違反となります)
※過去の参考記事:
夏におすすめ、日本酒リキュール(2022年8月2日)
https://www.tothemoon.co.jp/sakewakuwaku/articles/2022/08/blog-220802/
※「入梅」は、年によって日にちが異なります。
6月21日:スパークリング日本酒の日
最近は、にごりの少ないクリアなスパークリングタイプの日本酒もあれこれ見かけるようになりました。
シュワシュワッとした口当たりは、暑い夏の夜や休日の昼下がりにも最適です。
「スパークリング日本酒の日」は、スパークリング日本酒「澪」を販売する宝酒造株式会社が制定しました。
「澪」をさらに多くの人に飲んでもらうとともに、日本酒市場全体の活性化につなげることが目的で、「澪」の発売日(2011年6月21日)に因み、発売10周年の年に登録されました。
「スパークリング日本酒」は、大きくは2つの製法に分けられます。
・炭酸ガス注入タイプ:
完成した日本酒に、あとから炭酸ガスを注入して発泡させるもの。
発酵は止まっているため、品質を安定させやすく、通常の炭酸飲料と同様に常温で保存することも可能です。
・瓶内二次発酵タイプ:
発酵中のもろみを、火入れをせず酵母が生きた状態で瓶詰めしたもの。瓶の中で発酵が進み(二次発酵)、炭酸ガスが発生します。
シャンパンに近い製法で、炭酸がよく溶け込んで、きめの細かい泡を楽しめます。
(無濾過の活性にごり酒も、瓶内二次発酵の一つと言えます)
6/21は夏至の頃にもあたり、北半球では一年のうちで日の出から日没までが最も長い時期になります。
少し明るい夕方から、シュワシュワの口当たりを楽しんではいかが?
6月25日:生酒の日
「生酒の日」は、月桂冠株式会社が制定しました。
超精密ろ過技術の応用で生酒の常温流通が可能になり、本格的な「生酒」を月桂冠が発売したのが1984年6月25日。
蔵元でしか味わえなかったしぼりたての美味しさを全国どこでも楽しめるようになったことから、その歴史を伝え、生酒の魅力をより多くの人に知ってもらうことを目的としています。
生酒は、「火入れ」と呼ばれる加熱処理を一度もしないお酒です。
火入れは、酵素の働きを止めるとともに雑菌の繁殖を防ぎ、品質を安定させるために行うもので、通常は、貯蔵前と瓶詰めのタイミングで、合計二回行います。
火入れを行わない生酒は、しぼりたてのフレッシュな香味を楽しむことができます。
酵素の働きが残っているため、ピチピチとしたガス感を感じられるものもあるかもしれません。
梅雨明けが待ち遠しい夜は、キンキンに冷やした生酒をぜひ楽しんでください。
※過去の参考記事:
夏の日本酒・生酒とは?(2022年5月25日)
https://www.tothemoon.co.jp/sakewakuwaku/articles/2022/05/blog-220525/
6月30日:酒酵母の日
岐阜県飛騨市の造り酒屋、有限会社渡辺酒造店が制定しました。
清酒業界全体で美味しい酒造りに欠かせない酒酵母に感謝し、来期も美味しいお酒が出来ることを願う日とすることを目的に、酒造年度の最終日の6月30日に決められました。
酵母は、カビと同じ真菌類に属する小さな微生物で、実は自然界に広く生息しています。食材を発酵させる働きがあり、ワインやビール、パンや味噌などでも使われています。
日本酒においては、アルコール発酵を行う役割だけでなく、「香りの素となる」という重要な役割を担っており、使う酵母によって、お酒の味わいや香りも大きく変わってくるといっても過言ではありません。
目に見えない小さな生き物の力が、日本酒の味わいに大きく影響しているのですね。
酒づくりで使われる酵母には、酒蔵の中に住み着いている「蔵つき酵母」のほか、日本醸造協会が提供する「きょうかい酵母」、大学の研究や酒造会社で開発された酵母、各自治体で開発された酵母などがあります。また、ワイン酵母を使ったものなどもあります。
酒づくりでは、それぞれの特徴も踏まえて、使う酵母を決めているのです。
<酵母の例>
・きょうかい6号:
「新政酵母」とも呼ばれる。発酵力が強く、香りはやや低くまろやか、淡麗な酒質に最適。
・きょうかい7号:
「真澄酵母」とも呼ばれる。華やかな香りで、広く吟醸用及び普通醸造用に適している。
・きょうかい9号:
「熊本酵母」とも呼ばれる。短期醪で華やかな香りと吟醸香が高い。
・きょうかい14号:
「金沢酵母」とも呼ばれる。酸が少なく、低温中期型醪の経過をとり特定名称清酒に適している。
・東京農業大学 花酵母:
一般的な清酒用酵母がもろみから分離されるのに対し、花から分離した酵母。様々な香味を醸し出すと言われ、ナデシコやイチゴなど10種類以上の酵母がある。
・うつくしま夢酵母:
福島県開発のオリジナル酵母。フルーティな香りと、華やかで酸味の少ないソフトな味わいを作り出すと言われる。
※601号・701号・901号・1401号などのように、後ろに「01」が付いた酵母がありますが、こちらは発酵中に高泡が発生しない “泡なしタイプ” のもの。それぞれ、その番号の酵母の性質は同じままに、高泡にならず、同じ容量のタンクで増産が可能になります。
また、自治体開発の酵母には、他に山形酵母などがあります。
日本酒を選ぶとき、原料のお米の違いは目にすることが多いですが、酵母の違いを比べてみると、また違った発見があるかもしれません。
* * *
梅雨が始まるこの時期。
ジメジメと不快指数も徐々にあがってくる頃ですが、冷やした日本酒ならではのキリッとした後味のよさと香りを実感できるのも、この時期なのではないかと思います。
シュワシュワもよし、ロックにするもよし。梅雨の夜もカンパイしよう!
いつも楽しくWakuWakuを忘れずに。
そんな時間のお供をしてくれるお酒にも感謝して、今晩もカンパイ!!