「蔵開き」、ご存じですか?
すべての酒蔵が「蔵開き」をしている訳ではありませんが、「蔵開き」は、普段は入ることのできない蔵の中を見学できたり、お酒の飲み比べができたり、杜氏さんや蔵人さんから直接いろいろ話を聞けたり・・・と、酒蔵をもっと身近に感じられる機会です。
今回は、そんな「蔵開き」の雰囲気をご紹介します。
蔵開きとは?
「蔵開き」とは、蔵元が酒蔵を解放し、地域の人などお客さまを招き入れ、日頃の感謝の気持ちを込めて、お酒を振る舞ったりお披露目したりする催しです。
酒蔵の「蔵開き」は、日本酒の仕込み始め、または仕込み終わりの頃に行われます。
仕込み終わりでは、新酒ができあがる1月下旬からが「蔵開き」の時期になりますが、蔵によっては春先から4月末頃に行われるところもあります。また、仕込み始めの秋の「蔵開き」では、地元のお祭りに合わせて開催されることもあります。
蔵開きで酒蔵めぐり
酒蔵が近在する地区としては、灘五郎で知られる兵庫県灘地区や京都府の伏見地区、広島県の西条地区などが有名ですが、その他にも、米どころや水の豊かな地域などで、酒蔵が近在する地域は全国に意外と多くあります。
そういった幾つかの酒蔵が近隣にまとまっている地域では、同じ日に蔵開きを開催して、“酒蔵めぐり” ができるところもあります。
各酒蔵で試飲ができる「酒蔵めぐり券」や、鉄道会社からも酒蔵めぐりの割引切符などが発売されるなど、地域のイベントのように開催されます。
たとえば、“庭のうぐいす” で有名な山口酒造場・山の壽酒造・みいの寿の3つの酒蔵は福岡県久留米市北野町近隣にあり、西鉄甘木線で3駅の区間内。同じ日に蔵開きが開催され、酒蔵めぐりをすることができます。
駅から酒蔵までの道を歩いて周辺の雰囲気も感じながら、酒蔵の飲み比べを楽しめることも醍醐味です。
この他にも、山形県の鶴岡市の4酒蔵での蔵開き(大山新酒・酒蔵まつり)や、滋賀県の湖南市・甲賀市の4酒蔵での蔵開きなど。残念ながら今年は中止になってしまったところもありますが、蔵開きで酒蔵めぐりできるところは、まだまだあります!
探してみるのも楽しいかもしれません。
酒蔵の中で飲み比べ!
さて、蔵開きでの楽しみは、なんといっても「飲み比べ」ができること!
通常販売のお酒だけでなく、蔵開き限定のお酒の試飲や購入ができるところもあります。
いろいろなお酒を飲み比べできる楽しさはもちろんですが、趣きのある酒蔵の中でその味わいを堪能できるのは、普段とはまた違う楽しさがあります。
杜氏さんや蔵人さん、酒蔵の方々が直接対応されるので、気軽に質問などもでき、お酒の特徴や裏話?などを聞けるのも楽しみの一つです。蔵の人たちの雰囲気も感じられて、さらに親しみが湧いてきます。
※試飲は、酒蔵によっては有料のところも。有料の場合は、会場全体で数百円で試飲できる場合や、ミニカップ1杯ごとに数百円など。
酒蔵の雰囲気も堪能
蔵開きの日は、酒蔵がお客さま向けに開放されて、普段は入れない蔵の中に入ることができます。
酒蔵の古い建物や、蔵の高い天井などは趣きがありますし、仕込みタンクなど酒づくりに使われる器具も間近で見ることができ、酒づくりの雰囲気を間近に感じられる中で試飲できることも、蔵開きで嬉しいことの一つです。蔵元それぞれの雰囲気の違いを感じられるのもおもしろい点です。
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酒蔵の蔵開き。
より身近に日本酒を感じられる日でもあり、新しいお酒に出会えるかもしれない日でもあります。お店でお酒を選んだり飲んだりするのとは、また違った楽しさがあります。
新型コロナの影響で、今年も蔵開きが中止になったり、オンラインで開催されたところもありましたが、二、三年ぶりに開催されたところもありました。
今シーズン・来シーズン、機会があれば、足を運んでみてはいかがでしょうか。
いつも楽しくWakuWakuを忘れずに。
そんな時間のお供をしてくれるお酒にも感謝して、今晩もカンパイ!!